機能性消化管疾患

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消化器症状があるにも拘らず、内視鏡検査などで器質的異常を認めないものを機能性消化管疾患と呼び、胃食道逆流症、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などが代表です。
これらの疾患は、もちろん生命に関るものではありませんが、日常生活の質(QOL)を極端に落とすことが知られています。

食道

(1)胃食道逆流症:
胸焼けや胸痛があるけれども、内視鏡で全く異常が認められないことがあります。
こういった場合には、胃食道逆流症を疑いpHモニタリング検査が必要になります。

pHモニタリング検査とは直径1mmほどの1本の細い管を鼻から通して胃内と食道のpHの変化を24時間記録し、逆流の有無や程度を解析するものです(当センターで可能)。

 

 

 

(図1)上の線は食道のpHで、7ぐらいを中心にして時々、pH2まで下がっています。
これは、pHの低い胃液が食道に逆流していることを示しています。
食道のpHが4未満になっている時間が24時間のうちの4%以上を占めるとき、胃食道逆流症が存在すると診断します。

(2)食道運動機能障害:
強い胸痛があるのに心電図では異常を認めない場合には、ナットクラッカー食道、びまん性食道痙攣など、嚥下障害があるのに内視鏡で異常を認めない場合には、アカラシアなどの食道蠕動障害が原因である可能性があります。
こういった疾患では、圧センサーがついた直径3mm程度の管を鼻から挿入し、24時間、食道内圧の変化を記録、解析する食道内圧測定をしなければ診断をつけることができません(当院で可能)。

(図2)内圧センサーは5cm間隔で3(4)箇所あり、一番下のセンサーが食道下端の直上に位置するように固定します。
上に示す症例では、一番下の収縮圧は平均180mmHgを超え、収縮持続時間も6秒を超えており、ナットクラッカー食道と診断できます。

(1)機能性ディスペプシアー器質的疾患がないにもかかわらず上腹部に消化器症状が生じる疾患群ーが注目されています。

ローマⅢ基準では、もたれを中心とする食後愁訴症候群と痛みを中心とする心窩部痛症候群に分けられました。

a) 食後愁訴症候群(PDS)の診断基準
以下のうち少なくとも1つの症状がある

 

 

  1. 少なくとも週に数回、通常の食事量で生じる煩わしい食後膨満感
  2. 少なくとも週に数回、通常量の食事を完食できない早期満腹感

*診断の少なくとも6ヶ月以上前から症状が出現し、少なくとも最近3ヶ月間続いていること。

b) 心窩部痛症候群(EPS)の診断基準 以下のすべてを満たすこと

  1. 週1回以上、中等度以上の心窩部に限局する痛みまたは灼熱感
  2. 痛みは間欠的
  3. 腹部全体でもなく、腹部や胸部の他の部位にも限局しない。
  4. 排便、排ガスで軽快しない。
  5. 胆嚢、オッディ括約筋障害の診断基準を満たさない。

*診断の少なくとも6ヶ月以上前から症状が出現し、少なくとも最近3ヶ月間続いていること。

原因は今のところ完全には解明されていませんが、胃・十二指腸の運動機能障害、内臓知覚の異常、胃酸の分泌異常、心的因子などが関与していると報告されています。
当センターでは、病態解析のためのpHモニタリングや内圧測定も可能で、病態に即した治療が可能です。

(1)過敏性腸症候群:通勤、通学中に急におなかが痛くなってトイレに駆け込み、排便が終わると腹痛は消失するという経験を繰り返すのが過敏性腸症候群です。

直腸粘膜の過敏性が証明されていますが、中枢の機能障害も指摘されています。

ローマⅢ基準

 

 

  1. 排便で症状が改善する。
  2. 排便回数の変化を伴う
  3. 便の性状の変化を伴う

1年間の間に少なくとも4週間で腹痛や腹部不快感を伴って、上記の3項目中2項目以上該当する治療には、下痢止めを含む大腸運動を調節する薬、便の形状を改善する薬、抗不安薬などを組み合わせて使用しますが、当院ではその治療経験も豊富です。

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